威鶴の瞳


バッ、二人は俺がそう言った瞬間に雷知の胸ポケットを凝視、タバコとライターを取り出して確認しだした。



俺が見る限りでも4本、半分以下。



「お前、透視出来んじゃねーの……?」



マサルは怪しんだ目で見てくる。

ならばイメージしやすいように、少し補助をしよう。



「いや、あくまで聴力。例えば雷とか花火は、目に見えなくても近いか遠いか、真上かどの方角で音が鳴っているのか、大体ならわかるでしょう?」



コクリ、うなずく雷知に、「わかるか?」とよくわからなそうなマサル。



「ファミレスで皿が割れた」

「「わかった!!」」



マサルも叫んだが、なぜかトーマも叫んだ。

お前も参加してたのか。



なぜかファミレスの例えの方がイメージしやすかったらしい。

トーマも、ずっと一緒に仕事して来た割には、よくわかっていなかったのだろう。


< 84 / 500 >

この作品をシェア

pagetop