威鶴の瞳
バッ、二人は俺がそう言った瞬間に雷知の胸ポケットを凝視、タバコとライターを取り出して確認しだした。
俺が見る限りでも4本、半分以下。
「お前、透視出来んじゃねーの……?」
マサルは怪しんだ目で見てくる。
ならばイメージしやすいように、少し補助をしよう。
「いや、あくまで聴力。例えば雷とか花火は、目に見えなくても近いか遠いか、真上かどの方角で音が鳴っているのか、大体ならわかるでしょう?」
コクリ、うなずく雷知に、「わかるか?」とよくわからなそうなマサル。
「ファミレスで皿が割れた」
「「わかった!!」」
マサルも叫んだが、なぜかトーマも叫んだ。
お前も参加してたのか。
なぜかファミレスの例えの方がイメージしやすかったらしい。
トーマも、ずっと一緒に仕事して来た割には、よくわかっていなかったのだろう。