教組の花嫁
講演が終わった。
割れんばかりの拍手が、ホール中に響き渡った。
道心は満足感に浸っていた。
教団の資金源は、寄付、会費(入会費・月会費)、別の組織で運営している酒の売り上げが3本柱である。
道心は教団の運営を資金面から円滑にするためにも、酒の宣伝をする事を忘れてはいなかった。
道心の思惑通り、その日の売店は酒を求める信者が殺到していた。
900mℓ 1万円の『永命』、1升5千円の『幸命』、3千円の『笑命』、2千円の『豊命』が飛ぶように売れている。
教祖の話を聞いたせいか、小波は久し振りに酒が飲みたい心境になっていた。
小波は売店横の酒ホールに入った。
500名収容のホールには、おでん、焼き鳥、寿司、串かつ、たこ焼き、お好み焼きの屋台が出ている。