教組の花嫁

 滑り込みで下りの新幹線にほのかは飛び乗った。
 指定の席に着いた。


 席に座ると、ほのかは車窓に目を向けた。
 赤や青の灯りが近付いては消えて行く。


 (あの女には、今まで散々痛い目に遭わされた。
  今度こそ復讐してやる)



 (明確な証拠は無い・・・。でも、私には強力な証人が二人いる。
  ひとりは北河圭介。
  もうひとりは日吉美和)




 (もし、私の言う事に疑いをはさまれたら・・・。
  その時は、2枚の切り札を出せばいいのだ。
  よっしゃ。明日こそ、命懸けで勝負をしてやる)



 ほのかはしっかりと目を閉じて、明日の最高潮の場面を思い描いていた。






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