地味なあの子は鬼狩り少女3 〜深紅の瞳〜



「お前の言った通り、確かに神無はココにいたけど…どうしてこんな状況になってるんだ?」


――…芽有は、俯いたまま。


「お前…一体どうしたんだ?」


何も、喋らない。

しかしその代わり、ゆっくりと両手を上げると右目のカラコンを外し、静かに顔を上げてみせた。

黒と赤の二色に染まった瞳に射抜かれて、言葉を詰まらせた兄ちゃん。

蓮さんや琥珀ちゃん、龍真も、芽有の赤い瞳を見て息を呑む。


そして一瞬の静寂――…



「芽有は、どうもしとらんよ?」



次に動いたのは、ニコニコと笑うおじいちゃんだった。



< 393 / 514 >

この作品をシェア

pagetop