地味なあの子は鬼狩り少女3 〜深紅の瞳〜



「裕也も他の皆様も、はじめまして。蓮君は…久しぶりじゃのう」


場違いな程朗らかに笑いながら、再び俯いた芽有の隣に並ぶおじいちゃん。

その微笑みに気圧されたかのように、蓮さんと琥珀ちゃんがジリ…と後ずさる。

特に蓮さんは、顔が真っ青だ。


「蓮、さ…ん?」


心配で思わず声をかけると、一瞬だけ驚いたように目を見開き


「あ、あぁ。大丈夫だよ」


と言って、無理矢理笑ってみせた。

その笑顔を見た琥珀ちゃんさ、私の方を見て大袈裟に肩をすくめてみせる。

その動作を見た私は、頷いて同意しながら頬を少し緩めた。


『うん、本当にね……』


相変わらず、蓮さんは隠し事が下手な人だなぁ。


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