“隣の不可思議くん”
「怖いです・・凄く怖い。両親には逆らっちゃいけない。言うこと聞かなくちゃいけないんだって、自分を押しとどめてきたんです。自分が自分じゃなくなっちゃうみたいで怖いです・・・。」
「やっと、あなたの本音が聞けた。馨越しに見るあなたはなんだかいつも、心苦しそうだった・・。」
優しく頭を撫でる澄羅さんはなんだかお兄さんのようでした。
「あなたにも、馨にも私と皐月みたいになってもらいたくない・・。」
その言葉は澄羅さんの心からの声であるように感じた。澄羅さんは、皐月さんに会えなくなってから今でもずっと皐月さんを愛しているからだろう。
「西園寺さん・・ごめん、気づいてあげられなくて。」
いつの間にやら澄羅から馨に戻っていたのか凄く悔しそうにしている彼がそこにはいた。