“隣の不可思議くん”

出会った場所で



首には明らかに怪我しましたって感じの包帯。けが人みたいで凄く嫌だと言ったらお前はけが人なんだよと朝から兄さん達に怒られた。


教室に入ったときのざわめきは確かに凄かった。永守さんは気遣いなのかはわからないけど「何それどうやって転んだわけ?」とか言ってた。それはそれで、ちょっとどうかと思ったけどきっと彼女なりの励ましだと思う。



「おはようございますって馨くんどうされたのですかっ!」



大パニックの彼女を落ち着かせながら放課後初めてあった場所に来てほしいとだけ伝えて保健室にサボりに行くことにした。



こういうときほど時が過ぎるのが早くてあっという間に放課後。彼女と出会った本棚の近くの椅子に座ってぼんやりと外を眺めているとほどなくして彼女がやってきた。




< 123 / 129 >

この作品をシェア

pagetop