“隣の不可思議くん”


「あらら、馨大丈夫ー?」


もう珠希ちゃんノイローゼだねっなんてふざけていた兄だったがあながち間違いでもないかもしれないなんて、頭の中で冷静に考えている自分がいて驚いた。



「大丈夫か、馨・・水。」



持ってきていた鞄から水を取り出し飲ませてくれた。以前にも神大寺の家に訪問したときに何度か家を出た瞬間にこのようなことが起こったことがある。それ以来、大樹兄さんはここに来るときには、かならず持ってくるようにしているみたいである。


しばらくして、やっと落ち着きふらふらしながらも兄さん二人に支えられながら神谷の家に帰った。家について、出迎えてくれた母は俺の様子を見て泣きそうになっていた。




「大丈夫だから・・泣かないでよね母さん?」




今にも泣き出しそうな顔をしていたのでそういうと、母さんは強がって泣かないわよと言っていた。


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