夜の図書館

バス停に立ち
老人の間に入ったので
遠慮して一番後ろに下がる。


バスに乗る。

一番後ろの席に乗る。

平日のバスは空いていた。

だから
いつも憧れがれていた一番後ろの席に乗る。

目的地は

終点の
ちょっと都会のバスターミナル。

そこからまたバスに乗り
一番後ろの席に座り
終点まで乗る。


気のすむまで乗る。


遠足気分で
小さなバックからチョコを取り出し口に入れると、甘さが広がり幸せになる。

チョコって
こんなに甘かったっけ。

私は忘れないうちに
携帯を手にして
綾子と貴ちゃんからの電話を着信拒否にする。

きっとそのうち
実家の親からも電話がくるだろう

ダメ出しあるだろう

嫌な事も言われるだろう

貴ちゃんにも
居場所を知られるかもしれない

これから
どうなるかわからないけど……。
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