眠り姫の唇



瑠香が俯いて何も喋れないでいると、岩城はまたクスリと微笑む。


瑠香から立ち去る岩城が、ふと振り返り、瑠香を見つめながら自分の首元をトントンと指で押さえた。



「?」


ドキドキと心臓を押さえながら岩城の謎の行動に首を傾げる。


「コレ、そのままで残業しろ。それとメールの返信を返せ。終わったら迎えに行く。」



ガチャン。




「…?」



嫌な予感がして、瑠香は急いでポケットから鏡を取り出した。



「…あ!」



首元の襟から見えるか見えないかの所に赤い跡が付けられている。


「な、な、な、」



なんて事を!



こんなのリサに見られでもしたら、全部説明するまで刑務所行きだ。



「今まで岩城さんこんなの付けたこと無いのに…!」



瑠香は必死に隠しながら、7階に戻るハメになってしまったのだった……。









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