眠り姫の唇


両腕を上げながら、うなじを露わにして、無防備に振り返る着飾った恋人に、岩城は誘われるがまま近付いた。


「そのドレスも脱ぐんだろう?」


そう妖艶に囁いて、岩城は瑠香の首筋に唇を走らせ、後ろのファスナーを歯でくわえた。


「…っ!」


その甘い刺激と仕草に、瑠香も熱を上げていく。


途端に締め付けがなくなった体に、スルリと岩城のわがままな指が侵入してきた。



「ある意味新婚初夜だな。」


「…っ、…人のですけどね。」

スルスルと肌を撫でる太くて節のある指に、瑠香は体をよじる。


色んな所を触りながらも、岩城はドレスを脱がせるのを最後まで手伝った。


それを律儀にシワにならないように机に広げる。


「瑠香、綺麗だったな。」


「普通脱がせてからいいます?」


むくれながらも瑠香は頬を染めた。


「脱いでも、これはこれでかなりイイけどな。」


そう言って、岩城は瑠香の鎖骨に痕をつける。


< 373 / 380 >

この作品をシェア

pagetop