眠り姫の唇




鳴りにくいはずの絨毯にドスドスと足音が響く。



信じらんない信じらんない信じらんない!



「あ、高江ちゃんオハヨー」



信じらんない信じらんない信じらんない信じらんない!




「あ、瑠香オハヨー」




信じらんない信じらんない信じらんない信じらんない信じらんない!




「高江!おはよう!昨日はありがとうね♪」


「前川先輩!」


ドンッと前川のデスクに手を付き、瑠香は半泣きで、前川を睨んだ。

「中屋のブルーベリーパイおごって下さい。それで今回は手を打ちます。」


「えー。高くつくなぁ。」


前川はアハハハと笑って仕方ないかぁと頭をかく。

緩くカールされた髪から凄く良い匂いがした。


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