気がつけば愛でした
静奈は高柳の隣にぴったりとくっつき、その大きな手を握り締めた。
「何?あ、心配してくれてんの?」
「心配っていうか…、何かわかんないけど…」
「…」
そう呟くと、高柳はその手に力をこめて静奈を引き寄せ抱きしめた。
「…前から思ってたけどお前って人の気持ちに敏感だよな」
「え、そうかな…?」
「うん。…大丈夫だよ、俺は。心配ないって。」
「うん…」
耳元で囁かれる低い声に、不思議と心が落ち着く。
エレベーターの中だということも忘れて、下につくまで2人は抱き合っていた。