気がつけば愛でした
「お母様の方はどうなさるおつもりですか」
高杉秘書はスケジュール帳を閉じて社長に聞いた。
社長はピタッと動きを止める。
「お袋とは、一度3人で話し合いたいと伝えてある」
「何か仰っていましたか?」
恐る恐る静奈が聞くと、社長は首を振った。
「あぁ見えてお袋もお嬢さん育ちだからさ、プライドが邪魔すんのかな。話すことはないって言われた。」
「そんな…」
静奈はシュンとする。
圭子は聞く耳を持たなかったということだ。