恋涙

プロポーズ


「え、何これ・・・」


私がびっくりしていると、結稀が指輪を取った。





「俺たちが初めて会った日のこと覚えてるか?」



「うん・・。」



「俺、ばぁちゃんから受け取った指輪公園に埋めてたんだよ。あの指輪はばぁちゃんがじいちゃんと結婚する時に、受け取ったものなんだ。」



「そうなんだ・・」




「俺、あの指輪を受け取るときに、一番大切な人に渡しなさいって言われたことを覚えてたんだけど、あの頃はガキだったから子供ながらにどこかに隠しておかなきゃいけない大切なものなんだって思ってさ。」





結稀はじっと海の方を向いて話していた。




「それを思い出してあの公園で指輪を探したんだけど、やっぱり見つからなくて。」




「それはそうでしょ。もう10年くらい前のことだもん。」




「ばかだったよな。」



「それ、私にくれるつもりだった?」




「でも、見つからなかった。」




結稀の落胆の様子が目に見えて分かった。










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