「愛」 -レンタル彼氏-【完結】
少し、昔の話をしよう。
俺がレンタル彼氏を始めるきっかけ。
それは社長のスカウトだった。
俺が駅前を歩いていたら、真っ黒のサングラスをかけて、ぴしっとしたスーツを身に纏った男に声をかけられた。
「君、過去に闇があるね」
「は」
男の第一声がそれだった。
警戒心丸出しで、俺はそう返事をしたと思う。
だけど、男はそんな事気にする様子もなく、更に続けた。
「女に裏切られた、か」
「!!!!」
「図星だな」
「……あんた、何者?」
「ふはは、何者?そうか、そうだな」
男はおかしそうに笑うと、腕を組んで考え込む。
「君に夢を見させる者、かな」
「……は?」
意味がわからない。
何だ、この人危ないのか。
当時の俺はそうとしか思えなかった。
いや、今でもそう思うだろうよ。
いきなり、怪し過ぎるだろ。
「まあ、もう、君に決めたから」
「……何がですか」
「とりあえず、ここに連絡して」
そうやって、渡された名刺。
そこには『西園寺康弘』と目の前にいる男の名前が記されてあった。
左上には『代表取締役』の文字も。
俺がレンタル彼氏を始めるきっかけ。
それは社長のスカウトだった。
俺が駅前を歩いていたら、真っ黒のサングラスをかけて、ぴしっとしたスーツを身に纏った男に声をかけられた。
「君、過去に闇があるね」
「は」
男の第一声がそれだった。
警戒心丸出しで、俺はそう返事をしたと思う。
だけど、男はそんな事気にする様子もなく、更に続けた。
「女に裏切られた、か」
「!!!!」
「図星だな」
「……あんた、何者?」
「ふはは、何者?そうか、そうだな」
男はおかしそうに笑うと、腕を組んで考え込む。
「君に夢を見させる者、かな」
「……は?」
意味がわからない。
何だ、この人危ないのか。
当時の俺はそうとしか思えなかった。
いや、今でもそう思うだろうよ。
いきなり、怪し過ぎるだろ。
「まあ、もう、君に決めたから」
「……何がですか」
「とりあえず、ここに連絡して」
そうやって、渡された名刺。
そこには『西園寺康弘』と目の前にいる男の名前が記されてあった。
左上には『代表取締役』の文字も。