「愛」 -レンタル彼氏-【完結】
一気に半分まで飲み干すと、冷蔵庫に戻す事無くテーブルまで持って行く。

革張りのソファにどさっと腰を落とすと、体を投げ出した。


今日は何をしようか。
家にこもっていたくないな。

出かけたいわけでもないが…部屋にいたら嫌な思考を止める自信がない。



出かけるにはまだ早い。
こんな時に何かハマっているモノでもあればいいのだが、そんなモノもない。

誠ならきっと、読書とかしているだろう。
聖は雑誌とか読んだりしてそうだし。
吏紀はゲームとかやってそうだ。

…伊織は。


……伊織?


わからないな。
伊織は何にもハマらない気がする。

何もかもが楽しくない様な顔をいつもしているから。
人生を諦めている様な顔。


コンビニでも行ってくるかな。
ベロアのラインが入ったジャージセットアップだったから、別にそのまま出ても恥ずかしくはない。

財布と携帯と鍵をポケットに入れると、俺は部屋を出た。


エレベーターのボタンを押して、待ってる間携帯を開く。
着信と受信は“彼女”からのみ。


はあっと溜め息をつくと、ちょうどその時にエレベーターが到着して軽快な音と共に扉が開く。
携帯を閉じて、エレベーターに乗り込もうとして目を見開いた。
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