「愛」 -レンタル彼氏-【完結】
「どのぐらい歩くの?」

「んとね、ここから15分ぐらいかな」

「タクシー使わねえ?」

「あ、いや…」

「金なら心配いらねえから」

「……そういうんじゃなくて」

「じゃあ、何」

「少し歩いて、話したいというか」

「…別に墓参り行って、さっさと帰んねえから」

「え」


どうも、愛海は墓参りに行ってそれで最後の別れだと思ってたらしい。
折角なんだ、一日ぐらい付き合うっつーの。


「…だから、タクシーいいよな?」

「うん」


素直に頷く愛海を見てから、俺は適当にタクシーを捉まえる。
先に愛海を入れると、俺も乗り込む。

運転手に愛海が行き先を告げると、ふうっと息を吐きながら背もたれに寄りかかった。
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