「愛」 -レンタル彼氏-【完結】

「何。何かあったの?」

「……実は、返品されたんです」

「へんぴん?」

「はい」


まだ意味がわからない。
返品、って何だ?

どういう事?


「返品は、手数料100万とそれまでの契約日数の日割を払えば可能です」

「…俺は、返品されたの?」

「………はい」

「……返品…」


ぼそっと俺は呟く。


「なので、こちらの方が予約早まりました」

そう言って、事務的に佐々木は俺に伝える。


「………わかった」

「連絡がお客さんからいくはずです。
詳しい事はそちらで」

「………」


力無く頷き、それを確認した佐々木はさっさと部屋から出て行った。


眠気なんて一気に覚めた。




はは。


俺はここでも必要ないのか。


そうか。
< 89 / 302 >

この作品をシェア

pagetop