こちらミクモ探偵事務所5

「紘子ちゃん、調子が悪いと言ってましたよ」

「……え?」

静かに紘哉が二人の助太刀する。
途端に、羽兎が嬉しそうな顔をした。

「連日の受験勉強が体にきたんでしょうね。頭が痛いからもう少し寝かせてくれと、妹に頼み込んだらしいです」

もっともらしい理由だ。
紘哉の二枚舌に感心しながら、羽兎は必死に頷いた。

「そう。それなら、そう言ってくれればいいのに」

すんなりみどりも納得する。
取り敢えず、難は去った。
恵一と千尋は、安堵の溜め息をついた。

「相変わらず、おばさん怖いなー。変に鋭いし」

「オバサンってそう言う生き物なんだよ」

「なるほどね……」

妙に納得してしまう自分がいる。
恵一はみどりをチラリと見た。

< 133 / 224 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop