こちらミクモ探偵事務所5

朝食を済まし、もう一度外へ出る。
澄みわたる青空が、今は何となく鬱陶しかった。

恵一が腕を組み、真摯な顔で言う。

「さて、どうするもんかね?」

「どうしようかね?」

羽兎も彼の真似をして答える。

さっきから話が進まない。
いっそのこと、裏山にでも探しに行った方が早いのではないかと思い始めてきた。

「厄介だな……」

そう思わざるをえない。
呟く紘哉に千尋も頷いた。

四人は新井家を見つめる。
屋根にいる鳥が、一斉に飛び立った。

「あれ?四人とも何してんの?」

背に掛けられた声。
皆は一斉に振り向いた。

「なっ!アンタ……!」

千尋の顔が険しくなっていく。
そして、彼女は声の主に近付き、平手打ちをした。

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