こちらミクモ探偵事務所5

「取り敢えず、羽兎さんと相談したいな」

「……だな。それと、いつまでこの茶番を続けなくちゃいけないのかも聞きたい」

相当嫌なのか、いつも不機嫌そうな紘哉の顔がもっと険しくなる。
恵一も苦笑いを浮かべ、小さくため息をつく。

その時、部屋のドアがノックされた。
二人が返事をする前に、ドアが勢いよく開く。

「なっ……羽兎さん!?どうしたんですか!?」

突然の事に驚いた恵一が声をあげる。
そこには頬を紅潮させ、満面の笑みを浮かべた羽兎が立っていた。
その後ろには、紘子が困ったように佇んでいる。

羽兎は部屋にズカズカと入っていき、二人の前に腰を下ろした。

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