こちらミクモ探偵事務所5

「……ケイ兄、黙ろう?」

紘子が静かに言う。
恵一は顔を青くし、口をつぐんだ。

「何か紘哉さんとおんなじ臭いがする……」

羽兎が呆然と呟く。
二人は羽兎に目を向けた。

「……あ?」

「なななな、何でもないっ!!ごめんなさい!続きをどうぞっ!」

「?」

首をかしげる紘子。
彼女は説明を続けた。

「それで、お母さんのみどり。お兄の隆宏(たかひろ)、お姉の千尋」

「お兄さんがいるのか」

「うん。社会人で、今日は夜遅くに帰ってくるって」

「そうか……」

「あと、たまに来る中村さん。今家にいるのはこれだけだよ」

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