ずっと続く青空の下で





「暑いー…」


パタパタと団扇で風を浴びながら、教室の中は皆の唸る声が聞こえてくる。


あたしも、その中の一部の人間だ。


「桃、次の休憩時間にアイス買いに行こうー?」


「そうだねー。この暑さ耐えらんないよ!」


何故、この学校はクーラーが設備されていないのか…毎年夏がくれば皆は先生に訴える。


冬になれば暖房もないし、先生達は服を何枚も着込んで授業を済ませ、休憩時間になると暖かい職員室でホットコーヒー飲む。


夏はガンガンに効いた涼しい職員室で、癒されてるのだと想像すると嫌気がさす。


「…てか次の授業、プールじゃない?」


あたしは思い出して、ふと声に漏らせば聞いていたほとんどの生徒が固まった。


四限目の項目に体育と書かれている黒板の片隅。


「…最悪!!!」


どんだけ暑い空間に居ても、プールに入る気なんていっさらない。


それは、水泳部以外の生徒が一致団結して思う事だろう。





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