自称彼氏と自傷彼女。

2



学校は、嫌いじゃない。


寧ろ好き。お父さんが居ないから、あたしを傷つける人は居ない。笑って過ごせる。



友達がいて、先生がいて、馬鹿な男子がいて。


そんな学校が、好き。



「音色、おはよ」

「おはよ」


この子は友達の佐奈。


一言で言えば美人。勿論モテるし、彼氏もいる。



学校で1位を争うイケメンな彼が。


「音色クマ凄いよ?寝れてる?」


全然。なんて言って心配させるのも気が引ける。


「大丈夫だよ。」

「そうー?」

「うん」

「音色が言うんだったら大丈夫か。行こ」



佐奈が単純でよかった。あたしが言える事じゃないけど。


教室につけば、皆佐奈を見る。あたしはおまけの様にね。まあ、慣れたし見られたくもないけど。



「佐奈ちゃん、音色ちゃん、おはよー!」

「おはよー」

「はよ」



あたしも軽く返事を交わせば男達はあたしの返事なんか聞いてもないかの様に「うお、喋った!」「可愛い」だとか言葉を並べる。


あたしなんかが佐奈の友達ですみません。全力で土下座したい。




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