自称彼氏と自傷彼女。

「音色ったら、相変わらずモテモテだねー?」

「はい?」


これだから天然は好かれるんだよな。


あたしが男だったら間違いなく、佐奈を選ぶ。



「皆佐奈を見てるんだよ」

「えー、違う違う!なにいってんの?もしかして今まで自覚なし?」

「その言葉そのままそっくり返すよ」

「やっだ!あんた馬鹿?あんたみたいに小柄で可愛らしい子が一番もてるんだよ?」

「…可愛らしい?」



空耳か?今あたしに向かって可愛いって言ったのこの子?


あらやだ。



病気かしら。病院つれてかなきゃ。もしかしてもう手遅れ?



「佐奈、病院いこ」

「ちょ、待ちなよ!本当の話だから!3年生の先輩があんたの事狙ってるって噂知らないの?」

「全く」

「あぁ、この子馬鹿だ。末期だ。自分の顔見た事無いんだわ可哀想に。あんた、気をつけなよ?」

「何が?」

「これでも言うか鈍感!音色はモテるの!少しは危険感もちなよ、ってこと。」



やっぱこの子末期だ。


病院に連れてったら間違いなく緊急治療室に入れられる。





< 6 / 25 >

この作品をシェア

pagetop