†箱庭†~ブロックルーム『1229』~
「ほぉ。新田君は五歳から野球好きだったんだねぇ」


「親父が将来野球で食えるようになれって、五歳からずっといっててさ。」


「大学の推薦まで決まってるんであろう?これは将来期待できますなぁ。」


あははは

はははは



(何なの…この会話……。)

藍ちゃんとエースはずっとしゃべりっぱなしで、たまに私に話を振る。でもとっても不自然で気持ち悪いんですけど…。

「新田君のお嫁さんになる人は、幸せ者ですなぁ。ね?愛羅。」

「別に。将来有望だって、嫌な人とは無理でしょ。本当に好きになった人と一緒にいれたら、それが幸せなんじゃない?」

――って彼氏も出来たことないのに偉そうなこと言えないんだけどね。



てか、なんでエース哀愁漂わせるの!





あ……私もしかして今『嫌な人』って直接言った?

私の発言が沈黙を召喚したらしく、それからは学校まで無言だった。

やっぱり、エースみたいな人種って嫌い。
校内に入ると、後輩や同級生の女の子が私と藍ちゃんが一緒に登校したことをエースに質問ぜめにした。

私達はいい迷惑!
もし、また偶然ってもので一緒になっても絶対お断り。
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