ちかくてとおいキミ。
はしゃぎ疲れたゆたは私の隣に座り制服のポケットからタバコを取りだしくわえ
「火ーつけて」
と言ってきた。
私はゆたのと私のお弁当箱を片付けて
ゆたのタバコに火をつける。
「ん、ありがと。」
と言いながら私の頭をぽんぽんっとする。
フゥーっと煙を吐くゆたの横顔を見つめてみる。
高い鼻に
整えられた眉
綺麗な形の唇
長いまつげ
改めて見ると本当に綺麗な顔をしてる。
なんかうずうずして
ゆたのセットしてある髪の毛をぐちゃぐちゃにしてやった。
「うわっ。最悪…お前今日こそ襲う!」
そう言ってゆたは腕を伸ばしてきた。
私はゆたの腕をスルリと抜けて走って逃げた。
「お前とヤるくらいなら現社のハゲとヤる方がマシじゃぼけ!」
私がゆたに向かって叫ぶとゆたは追っかけてきた。
あゆと祥くんは爆笑している。
こんな風に毎日ふざけて過ごしていた。
私はそんな毎日が楽しかった。
ずっと続いてほしかった。