キミと出逢えたキセキ

わたしが一番たっくんに近い存在だったのに。

そんなの。
絶対に嫌。



月曜日。
結衣がわたしのクラスまで来てくれた。
もちろん 告白の結果をわたしに教えるために。


「結愛・・・ ほんとにフラれたんだね。 たっくんOKしたってよ。。」


絶望的だった。
つまり たっくんには彼女が出来たんだ。
もう一緒に帰ったり恋愛感情を抱いてはいけないんだ。


悲しかった。
クラスにいたって、涙は止まらない。


その日からだった。
やさしかったたっくんが、わたしに接する態度を変えたのは。


話しかけてくることもなく
話すこともなく

毎日そんな時間が過ぎていく。

玲奈は、部活に入っていないから、サッカー部のたっくんとは放課後あんまり一緒に帰れない。 だから部活が終わった後、帰る姿を見ることもない。

でも ある日見てしまったんだ。
たっくんが部活に行かず、玲奈と一緒に帰っているところを。
部活より彼女を優先したということだ。

そんな人だったっけ たっくんって。

そんな2人の後ろ姿をただただ見ていることしかできなかった。
時折、玲奈が笑顔を見せているのが遠くからでも分かった。


少し前まで玲奈の位置には、わたしがいたのに。


みんな今の時間は部活だから、誰に見られることもなく好きなだけあの2人は一緒にいられるんだ。 そんなことまで考えてしまう。


呆然とみていると、瑞穂が後ろから抱きしめてくれた。

「結愛。 結愛にだって、たっくん以上の存在が絶対出来るって。だから もう忘れな。うちずっと応援してるよ。 どんな時も。」


また涙が止まらなくなる。
瑞穂はわたしの話を最後までずっと聞いていてくれた。


ほんとにたっくん以上の存在が出来るのだろうか。
初めてのあの経験は、そう簡単には消せない。
本気で本気で好きだったのに。
忘れようとすればするほど、つらくなる。


勉強だって頭に入ってこない。

その出来事は、わたしの中でかなり大きかったようでバスケもスランプ状態になってしまい
チームのみんなに迷惑をかけていた。

思った通りに体が動かないから、シュートだって全然入らないしディフェンスもすぐに抜かれてしまう。
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