身代わり王女に花嫁教育、始めます!
ブラウンの瞳は、勝気な中に気高さと意志の強さを覗わせる。真っ直ぐの黒髪は彼女が潔癖で、おそらく夫となった男に一途に尽くす女であろうと想像させた。

水をはじくオリーヴ色の肌、形も美しく張りのある双丘、悩ましげな曲線を描きくびれた腰に豊かなヒップ。

彼女であれば、“本物のカリム”が喜ぶ王の息子を何人でも産んでくれそうだ。


カリムはそのとき、自らの男性自身と同じ形状をした湯の塊を、リーンの中に押し込もうとしていた。彼女は悲鳴をあげ、身をよじる。そのときの感触が水を通じて、カリムにも伝わった。

もうひと押しで、彼女は王の花嫁となる資格を失う。

あとは好きなだけ楽しみ、気に入ればハーレムに連れ帰り、そうでなければバスィールに送り返せばよい……。


直後、彼はフッと力を抜いた。


(思えば……処女を抱きたいと思ったのは初めてだな。ならば、身元さえわかれば、身分などどうでもよい。正妃は無理だが、妻にしてもよいかもしれん)


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