Loose-leaf*放課後の甘いキス






「――じゃあ、一度休憩入れまーす」





ちらりと時計に目をやりながら、司会の生徒がこう言った。

休憩、といっても

同じ実行委員の中に知り合いがいない私は、とくになにもやることがなく

ただ窓の外を眺めてぼーっとしていることくらいしか―――





「―…葉月、夢愛さんだよね……?」

「……?」




ふんわりとした優しい香りに包まれてやってきたのは

まるで、妖精のようにふわふわした女の子。



「やっぱり~!文化祭で、コスプレ喫茶やる組だよね!」




自然な茶色の柔らかそうな髪をゆらし

首を少し傾けて、優しく笑う。






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