†蝶鬼鈴†

私が、新選組の……?

この男の言おうとしていることに気づき、私は声を上げる。


「まさか……。違います!新選組と私は、何も接点などありません!」

「嘘をつくな!」


刀が振り上げられる。

この人たちにとって、新選組は敵なんだ。




ぞくりと、背筋に冷たいものが走った瞬間。


「会津中将お預かり浪士隊、新選組。
 詮議のため、宿内を改める!」


声が響いた。

「わざわざ大声で討ち入りを知らせちゃうとか、すごく近藤さんらしいよね。」

「いいんじゃねえの?」
 

その後からも、楽しげな声が聞こえた。

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