†蝶鬼鈴†
力が抜けた私は、血の付いた包丁は落ちた。
カラン
落ちた包丁に、一気に視線が集まる。
あっ…………。
こういうことかっ。
こんなの見たら、どこの誰が見たって。
私がやったように、見える。
あんたは、それを分かって……。
「とにかく、お前は処置をしろ。」
っと言う土方さんの声に、再び私は顔を上げる。
これでよくわかったよ。
紗枝。
あんたは、自分を傷つけてまで、私をここから追い出したい訳ね?