†蝶鬼鈴†
「でも、あの子に行くあてなんか無いはず…。」
もう、夜に近い。
京は夜と昼じゃ、全然違うものへと変わってしまう。
彼女もそれを、分かってるはずだ。
夕食のことなんか忘れて、皆で外に探しにでた。
もう、辺りは暗闇へと染まっていた。
あちこちに、うめき声が聞こえる。
早く見つけて、あげないと。
取り返しのつかないことになってしまう……。
僕たちは、言葉にはしなかったが。
そう思い、焦っていた。