†蝶鬼鈴†

「はあ……。本題に入るぞ。」


私は緊張しだす。


「まず最初に。……お前は長州の者か?」

「いいえ、違います。」



「どうして池田屋にいた?」

「私は旅の者で、道に迷ってしまったのです。だから、道を訊ねようと…。」

「それで運悪く、入り込んでしまった、と……。」

「はい。」

「おまえ……、長州の奴らが会合している時、何か聞いたか?」


“火を放つ”、“暗殺”。確かに私はその単語を聞いた。

けど、言っていいものかと、少し迷う。

聞いた、といえば、私は必然的になんらかの事件に関わってしまう。

けど、もしばれれば大変なことになる。

どうすればいいのだろう?


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