キスして


「ねぇ、奥さんにもこんなキスするの?」

少しだけ空いた距離の空間で、言葉をつぐむ。

彼は驚くこともなく、また私の口唇を塞ぐ。

「知りたい?」

「もちろん。」

もちろん…知りたくなんて、ない。

首筋に、鎖骨に降りる甘い柔らかさ。

「あっ……。」

大きな手が、私の髪をすく。

< 2 / 3 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop