太陽の竜と闇の青年
私たちが椅子に座ると、マランはニヤニヤ笑いながら言った。


「ルウもフウもでかくなったなぁ。まぁ、ルウは……育ってない部分もあるがな」


私の投げた双剣がマランのすぐ真横を通り、後ろの壁にささった。


「マランどこみてるの?」


ニコニコと笑いながらマランに言うとマランは冷や汗をつーと流した。


「いやぁ、わりぃわりぃ」


「ところでさ」


私とマランの間に入ってきたフウはマランを見据えた。


「幡国で聞いたんだけどーなんでも薬草探しをしているらしいね。確かサルベージュだっけー?そのサルベージュというのは滅多に手に入らない代物で、この前そのサルベージュが幡国に来たという情報を手に入れてターラは幡国に来たらしいねー。でも、シャナがそのサルベージュをみたことがないって言ったらマランはすごい形相になってシャナを怖がらせたんだよねー。あはははは。それからマランは忽然と姿を消したらしいね。カリナにサリナージュをみせてもらったけどサリナージュは毒薬なんだって?しかもそれを食べた者は5日以内で死んでしまうという噂もあるらしいしー。それでそれを治すために必要な草がサルベージュっていうことも知ったよー。でもサルベージュはたくさん生えることのできるサリナージュとは対照的に百年に一度生えるか生えないか分からない幻の草と研究者たちの間で言われているんだってさー。そんな珍しい物をなんでマーラが探しているのー?」


……フウ、完璧だ……。


私、カリナの言っていたことなんてさっぱり忘れてたよ。


マランは微笑を浮かべた。


「そこまで分かってるのかよー。んじゃぁ俺も質問していいか?ルウ、冒険中何をしてきたんだ?」


マランの鋭い視線をうけて私は思わず姿勢を正してしまった。


「何って普通に旅をしてきたけど……」


私の言葉を遮ってマランは低くいった。


「その目と耳はどうしたんだ?」


……!?


まさか……。


というか絶対バレてる……?


「え?目と耳って何さ」


フウが眉をひそめた。


壱は渋面を浮かべていた。


「ルウ。自分の口で言え」


私は渋々ながらうなずいた。


どうせ言わないといけないときが来るとは思っていた。
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