太陽の竜と闇の青年
火柱が消えかけた頃、私はリクたちのほうに歩きだした。


「ジャァーン!!これが、新しい仲間の朱雀だよ!仲良くするんだよ」


サクラ、ラカ、フウが、感心したようにつぶやく。


「へぇ。綺麗な羽色だなぁー。僕、気に入ったかも」


「綺麗な目の色ですね。赤色の目って、ちょっとカッコいいですよね」


「朱雀さん、よろしくお願いします。って言ったって、話せませんよね。また人になったときに話しましょう」


3人が自己紹介を終えた頃に、リクが口を開けた。


「思ったんだが、ずっとそのままにいるわけじゃないだろな?蒼国でその朱雀をつれて入ったら、狙われる危険性は大だ。翡翠に戻ることは出来ないのか?」


ジンもうんうんと頷いている。


「だってさ。朱雀、翡翠に戻れる?」


すると、朱雀が首を一振りして高く舞い上がったと思ったら、突然急降下してきた。


私たちは驚きで声がでない。


何って言ったらいいのか分からない。


砂漠の光が、朱雀をとても綺麗に輝かせていた。


綺麗すぎて言葉がでなかったのだ。


朱雀は私の胸にかけていた翡翠に、スルッと入っていった。


私は少し驚きつつも笑って言った。


「実は私、手品とか得意なのかも」


その言葉を聞いた5人は盛大に笑った。


朱雀もうれしいだろう。


こんな楽しい人たちに囲まれているのだから。
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