センセイと一緒 ~feel.White~



その優しい声。

……真剣な瞳。

鈴菜は震える唇を開いた。


「わ、私……っ」


姉の言葉が脳裏をよぎる。

鈴菜はぐっと目を瞑り、掠れた声で言った。


「……先生と、もう、会えない……っ」


胸が引き裂かれるように痛む。

鈴菜は俯き、両手で顔を覆った。

……自分はこんなにも尚哉のことを好きになっている。

耐えられない胸の痛み。


――――そんな鈴菜の前で。

尚哉はすっと目を細め、鈴菜を見た。


「……どういうこと? それ」


鋭い視線で見つめる尚哉の視線の先で、鈴菜は嗚咽している。

そんな鈴菜の手首を尚哉は力づくで掴み、ぐいと左右に押し開いた。



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