センセイと一緒 ~feel.White~
「誰かに何か言われたの? 別れろって言われたの?」
「……っ」
「うちの生徒? それとも先生?」
顔を覗かれ、鈴菜は涙に濡れた目で尚哉を見た。
その目尻からとめどなく涙が溢れだす。
鈴菜は唇を噛みしめ、軽く首を振った。
尚哉は眉根を寄せ、じっと鈴菜を見つめた。
「……てことは……、まさか……」
どうやら思い至ったらしい。
無言で涙を流す鈴菜の前で、尚哉は小さく息をついた。
鈴菜の手首から手を離し、鈴菜の頬を両手でそっと包み込む。
……鈴菜を気遣うような優しい瞳。
鈴菜はその瞳を見、さらに涙が溢れるのを感じた。
「そう、か。……泣かないで、鈴菜。いずれはばれることだからね」
「……っ、先生……」
「でもタイミングが悪すぎるな。せめて君が高校を出た後だったら、ね……」