誘惑のクラン（血族）

第３章

悪夢

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璃子は夢を見ていた。


時々見る両親の夢。


幼い頃に交通事故で亡くなった両親だが、顔は写真から璃子は脳裏に刻まれている。


「璃子ちゃん、可愛い私達の娘」


「ママ――！」


両手を広げて、飛び込む璃子を抱きしめる母。


いつも夢は一緒。


大人になった璃子はその光景を見ているだけ。


幼い自分を抱きしめる母は、今の自分によく似ている。


もう少し経てば、璃子は母の年齢を超える。