誘惑のクラン(血族)
これからずっと一緒……。


死ぬかもしれないのに、それを回避してくれて、私は幸せなんだ。


……だけど、優真さんは?


私を助けても何の得にもならない。


それどころか、長候補から外されてしまう……。


「璃子ちゃん?」


優真が手を伸ばし、テーブルに乗っていた璃子の手の甲に重ねる。


「君は何も心配しなくていいんだ。前にも言っただろう? 私に任せてくれればいい」


力強い言葉を投げかけてくれる優真。


璃子はようやくつき物が落ちたような感覚だ。


「はい。すべてを……優真さんに委ねます」



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