誘惑のクラン（血族）

香草

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「優真さん、レストルームに行っていいですか？」


食事が終わりレストランを出ると、璃子は少し顔を赤らめ恥じらうように言った。


５メートルほど先にレストルームの表示がある。


優真は近くに入るかもしれないヴァンパイアの気を確かめた。


ヴァンパイアの気配がないのを確認すると、優真は言った。


「レストルームはあそこだ。行ってきて」


「はい。すぐに戻ってきますね」


璃子は髪を揺らしながらレストルームに向かった。


リゾートホテルのレストルームはいたる所に、たくさんの花が飾られていた。


花が好きな璃子だが、ヴァンパイアになるとそんな感情はなくなってしまうのだろうかとふと思う。