誘惑のクラン(血族)
「彼女の見張り、私が変わりましょうか?」


「見張りじゃないよ。見守っているんだ」


人形のように無表情な音羽に言う。


「同じことじゃない」


音羽は肩をすくめると小首を傾げ、碧羽を見ている。


「……10分だけ出てくる」


碧羽はその10分で優真が向かった崇と彰の別荘へ様子を見に行くことに決めた。


「10分?」


「ああ、音羽、お前を信用して任せるんだからな。何かあったら絶対に璃子さんを守るんだぞ」


「ええ。任せて」


音羽は無表情に請け負った。


< 264 / 356 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop