誘惑のクラン(血族)
「そんなに照れると、もっと可愛いんだけど? 食べちゃいたいくらいにね」


た、食べちゃいたい……?


にっこり笑みを向けられて、戸惑うばかりで言葉を失う。


「碧羽、離れるんだ。璃子さんが戸惑っているだろう」


優真さんの言葉に助けられて、璃子は愛想笑いを浮かべた。


「お世辞なんて言わないでね?」


「お世辞じゃないよ。本当に19歳? 僕より年下に見えるよ」


碧羽が誰をも魅了させてしまう色素の薄い茶色の瞳を向けて璃子に微笑む。



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