誘惑のクラン(血族)
これで優真と会えなくなる。


そう思うと、胸が張り裂けそうなほど痛む。


「璃子ちゃん、前にも話しただろう。私は君が好きなんだ」


璃子を絶対に自分の元から手放したくない思いでいっぱいだった。


「好きなだけです。お母さんを愛したみたいに、私に愛はないでしょう?」


真っ直ぐ見つめる瞳に、優真は目を逸らさず見つめる。


ヴァンパイアに覚醒したせいか、今の璃子は大人びて見える。


「だから、優真さんは純血種のままでいてください」


強く言い切ると、突如目の前が真っ暗になり倒れかけた。



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