僕らのプリンセス

「こ…恐い……」


せっかくの女の子に睨まれて、思わず涙目になる私。
だが、次に聞こえてきた男の子達の会話に、更に落ち込むことになる。




「ガラ悪くね…?」

「別の学校で留年したあげく、喧嘩ばっかするからこの学校以外に行き場無くなったってはなしだぜ…」




今まで、ヤンキーと呼ばれる人達と絡んだことがない私。
そんな話を聞いて、この学校唯一の自分以外の女の子とはいえ、仲良くなれる気がしない。



「ぁぁ…、学校やめたい…」


自分にしか聞こえない声音でそう呟いて、肩を更におとした瞬間ー…





ガラガラッ





「遅くなってごめんなぁー、席つけー」



担任と思われる30代前半くらいの男の人が現れた。
大量のプリントを抱えて教壇にたつ。


ざわついてた男の子達は一斉に席へと戻り、教室が静まりかえった。



「今日からお前らの担任になる、矢沢桂太だ。…時間がないから、今から配るプリント見ながら入学式の簡単な説明聞いてくれー…」



そうして、入学式へ向けての説明が始まった。










< 6 / 22 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop