荒波は海賊を呼び寄せる
「いってぇ……」

「あれ?船長?あの女の人はどうしたの?」

「てっきり、明日まで出て来ないと思ってたんだがなぁ……」

甲板に現れたレフォンに、仲間達が興味津々で話し掛ける。

「うるせぇ!!」

「自ら飼うと言っておきながら……。ハッ。情けない。捨てられたくなかったら、躾くらい、きちんとして下さいね?」

パルスの嫌みに、レフォンは顔を顰めながら船首に向かい、赤くなった頬と、今だ鈍痛がする腹を摩りながら、夕焼けに染まる海を見詰め続けた。

「船長を殴れる女か。今回の航海は、面白くなりそうだな。そう思わないか?ダリ?」

「やっぱり?僕も同じ事を考えてたんです♪スフォードは、別れるに賭ける?」

スフォードとダリが賭け事で盛り上がるなか、ちゃっかりパルスも賭けていた。


勿論、二人の破滅と女が捨てられる方に……。
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