荒波は海賊を呼び寄せる
「何よ!アンタが櫛の一つも寄越さないか……」

「いいな……その仕種。俺の服を着てる姿が、またそそられる」

素早くルーンに近付いてキスをすると、反撃を喰らう前にレフォンは距離をとって、笑った。

「私の服を用意して!」

「無理♪ほら、早く行くぞ。飯抜きになる」

レフォンは、ルーンの手を引いて甲板に連れ出すと、竿とバケツを渡した。

「……これは?」

「見ての通り、今から魚を釣るんだ」

レフォンは、訝しげなルーンを無視して、釣り糸を垂らす。
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