正しい殺人事件

「聞く!聞きます!」

おぉ、腹黒女王の怒りの琴線にふれたぞ!
恐い恐い
南無阿弥陀仏…


「奈々ちゃん!ちゃんと
聞いてるの?!」

「奈々には、難しいんじゃね?」

失礼だぞ、A。
私だって、ちゃんと理解できるはずだ!

「あの日も、奈々ちゃんのせいで大変だったんだからね。クレープ食べ損ねたし」

「言い訳しません。でも、クレープはこうして今日奢ってやっただろうが!」

「私、今日は駅前のパスタ屋な気分だったのー」

「高いわっ!1食2,000円はかかるじゃないか!?」

「そういや、金はどうしたんだ?新しいバイト先決まってないんだろ?」

「あぁ、幼なじみが稼いでくれた」

「え、あいつ何やってんだ?」

「男装喫茶」

適材適所とは、正に、このこと。

「なるほどね。それは向いてるわ」

ぱく、と一口頬張る。
バナナとキャラメルが素晴らしく合っている。
うん、美味い。
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